ぐだぐだ

かんがえること

父③

仕事の面だけじゃない


もともと変わった人なのである



彼の部屋は6畳ほどの部屋に、家族のタンスが置いてあるので、成人男性の部屋にしては小さい


わたしに妹が誕生してから、以前父の部屋であった8畳の部屋は姉妹の部屋になり、それまでわたしの部屋だった小さい部屋が父の部屋になった


父は数年かけて、それを見事にガラクタで満たし、満たし続けている


機械類やライト、コードやお菓子や飲んだ後の空き缶など色んなもので足の踏み場がない


そのくせ、父の部屋より片付いたリビングの机の上にある、書類や小さいお菓子を気にする


部屋を片付けたら?地震が起きたりしたら危ないよ、と言うと


片付けてもタンスがあるから、地震が来たらどっちみち下敷きになる、などと言う




休みの日には、読みたい本を、図書館から借りて来てはひたすらコピー機を使って読み込んでいる(持っている電子書籍に入れたいらしい)


あまりにも長時間コピー機の前に座ってウィーンウィーンと音を立てるものだから


そのまま読めばいいんじゃない、と言うと


人気の小説やたくさんの本を借りると、返すまでに読みきれなかったりする、と言う


人気の小説が読みたくて、お金をかけたくないなら文庫本がでてから買えばいいし、第一借りている本は人気の小説ばかりじゃない


何冊も借りて読みきれないならまた借りればいい


彼は結果、膝より下に置いてあるコピー機の前でチェアーに腰かけ続けたせいで、腰を痛めた


また休みの日にはよく出かけた


出かける先は、百均や電気屋、ホームセンターだった


何を買っているかはよく分からない


部屋にこれでもかと蓄えていそうなコードだったり、小物入、携帯置き、お菓子だったり


つまり部屋のガラクタの肥やしを大きくしているようにしかわたしの目には映らなかった


お金がない、節約だ、と言いながらよく分からない安いものをたくさん買って来る


労力と時間とお金のかけ方の感覚が圧倒的にずれていた




人間関係も上手い方ではないのだと思う


休日誰かと出かける、など聞いたこともなかったし


漫画などでよくある、"飲み会するから夕食はいらない"や"今から仕事仲間と自宅で飲むから準備よろしく"など、そういうシチュエーションに遭遇したことはなかったし


お中元お歳暮は見たことがなかった


それどころか、母とはお世辞にも仲がいいとは言えなく、家庭内別居と言えるほど口をきかなかければ


娘2人も、喋ったりテレビを一緒に見たりしても、父のいないところで"そういうところが父親に似てる"、などと母や母方の祖母に言われるとカチンと来た